255書評-田中清玄自伝  インタビュー大須賀瑞夫

今日から過去に読書メーターで書いた読書評と現時点でのコメントを載せて紹介します。なんだかんだといって3年も記録をつけていると様々な知識や思考によって変わった考えもありますし、単純に読んだ本を思い出したいだけだったり、コアになっている自分の思想を確認したいことを載せるつもりです。もしそれが皆さんの参考になればこれほど喜ばしいことはありません。


今回は読書メーターを知って最初にコメントを書いた「田中清玄自伝」についてです。

”西洋文明と接触した明治日本の最後に誕生して、激動の昭和を駆け抜けた人。若い頃は共産主義者として活動していたが、妙心寺山本玄峰の下での修行で自らの生きる道を見つける。彼の人生後半はハイエクを高く評価しているように、自由主義者として昭和を生き抜いた。もう少し詳しく内容を知りたい方はこちらを参照。http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1112.html


■コメント
今までしてきたことに失敗してしまい、自分自身に絶望していた時期にひとつの可能性を示してくれた本です。この当時(2009年)池田信夫ブログと松岡正剛の千夜千冊を知って、このふたつから大きな影響を受け始めた時に本書を知りました。この時の自分の中のキーワードはフレデリックハイエクと自由であり、彼に関連する人物の中でも田中清玄という人物はあまりにも鮮烈であり、自分に勇気を与えてくれました。今でもこの人のように自分を突っ切って生きたいと考えているのは変わりません。この人は世の中にはほとんど知られていませんが、戦前の共産主義、そして獄中と玄峰老師での修行、そして戦後のフィクサーとしての活動とはどういうものだったのかということを教えてくれます。ネット検索で彼の名前を探すと国士という言葉がよく出てきますが、国士という言葉に収まりきらない人物であることが本書を読めば理解できます。その時代に興味のある方はぜひご一読を。


田中清玄自伝 (ちくま文庫)

田中清玄自伝 (ちくま文庫)


田中清玄自伝

田中清玄自伝


「田中清玄自伝」 目次
1:会津武士と武装共産党
2:昭和天皇と玄峰老師
3:オットー大公と田岡一雄
4:世界の石油とトウ小平
5:ハイエク教授と今西錦司教授