読書メーター 2012-10月分のまとめ

2012年10月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3367ページ
ナイス数:52ナイス
http://book.akahoshitakuya.com/u/38779/matome?invite_id=38779

■医療のこと、もっと知ってほしい (岩波ジュニア新書)
正直に言ってこのような医療の世界があることをまるまる見落としていたことに自分自身愕然とした。ノーベル生理・医学賞だといわれる最先端の医療ではなく、地道な地方医療の最先端を知ることができてかなり刺激された。僕の住んでいる奈良県は医療事件などにより、とくに中南部の医療が崩壊しかかっているのだ。その上医療だけでなく行政も完全に縦割りで、どちらもまったく歩み寄れていない状況だ。最近そのことを肌で感じるようになってからは、どうにかして欲しいという他力本願ではなく、どうにかしないと潰れてからは遅すぎると考えている。
読了日:10月31日 著者:山岡 淳一郎

医療のこと、もっと知ってほしい (岩波ジュニア新書)

医療のこと、もっと知ってほしい (岩波ジュニア新書)


■進化とはなんだろうか (岩波ジュニア新書 (323))
進化生物学から生物とは何かを考えさせてくれる本。内容はジュニア向けとは言えあいかわらず敷居の高い岩波ジュニア新書で、ゲーム理論を適応した利得ゲームによる進化の説明が出てきた時はやっぱり子供向けじゃあないなぁと感じた。それでも進化という言葉が今では単純に進歩にならないことをきっちりと言ってくれたことは素晴らしい。アメリカではインテリジェンスデザインが大きな力を持っているが、元祖はイギリス人だったのは知らなかった。種の多様性は外部の意志がなくてもランダムに滅びることもあれば、生まれることもあるのだろう。
読了日:10月26日 著者:長谷川 眞理子

進化とはなんだろうか (岩波ジュニア新書 (323))

進化とはなんだろうか (岩波ジュニア新書 (323))


■人間はどこまで動物か
人間はどこまで動物かと考えた人は多いと思う。というより人間は動物の1種でその中で頂点を占めているか、あるいは動物からすでに離れていると考えるか、それとも本能と理性がぶつかり合う特別な存在か・・・など様々な議論がある。本書はエッセイで構成され、人間とはどういう存在かということを直接語ることは少ないけれど、昆虫や蝶々に木々など普段見かけるのにただの虫とか木としか考えられなくなっている現代人にどれだけ生活の中で生態系を見落としていることに気づかせてくれたり、人間自身もその中に入っていることを気づかせてくれる。
読了日:10月24日 著者:日高 敏隆

人間はどこまで動物か (新潮文庫)

人間はどこまで動物か (新潮文庫)


パーマン 4〔F全集〕 (藤子・F・不二雄大全集)
今回パーマンを初めて読んだのだけど、パーマンがスーパーマンのスをとっただけであることを知らず驚いた。読書メーターではなぜか224ページとなっているが、実際は450強もある分厚い本で読み応えたっぷりだ。パーマンは悪者と戦ったり、危険におちいっている人を救助したりするので、藤子・F・不二雄マンガの中でもギャグ要素は少ない。だけど当時掲載されていた雑誌の煽りに「爆笑マンガの決定版」などと書かれていて、それでツッコんでしまったw。
読了日:10月22日 著者:藤子・F・不二雄

パーマン 4〔F全集〕 (藤子・F・不二雄大全集)

パーマン 4〔F全集〕 (藤子・F・不二雄大全集)


■英語達人列伝―あっぱれ、日本人の英語 (中公新書)
本書は英語達人列伝とあって明治の初めに生まれた人物から明治の終わりに生まれた人がどのように英語を勉強してきたかについて書かれているけれど、英語のマスターの仕方がそれぞれ違うことや英語に対する精神の違いが感じられてかなり興味深い。ある人は辞書にかじりついて覚えて、ある人は音読を繰り返すことで英語を身につけたりしているのだ。僕なんかは即興で答えるのが不得意で、後からこんな風に答えればよかったと思うことがよくあってそのたびに自己嫌悪に陥ります。まだまだ高い山登りが必要だと感じた読書でした。
読了日:10月21日 著者:斎藤 兆史

英語達人列伝―あっぱれ、日本人の英語 (中公新書)

英語達人列伝―あっぱれ、日本人の英語 (中公新書)


■物語アメリカの歴史―超大国の行方 (中公新書)
アメリカ合衆国の歴史がわずか200数十年であることはよく知られているけれど、だからといって長い時間をかけて成立した国と引けを取るどころか、むしろアメリカはstateとして出来上がった最初の人工国家といえる。本書はそのアメリカの歴史を深く読み込むというより、アメリカで起きた重要な事件や代表的な大統領の政策、同じアメリカでも特徴の違う地域の説明や、どのように白人が人種差別を行いながら拡大してきたかについて焦点を置いている。なのでアメリカの歴史を最初に学ぶには悪くないけれど、深く知りたい人は違う本をオススメする
読了日:10月19日 著者:猿谷 要

物語アメリカの歴史―超大国の行方 (中公新書)

物語アメリカの歴史―超大国の行方 (中公新書)


■大杉榮 自由への疾走 (岩波現代文庫)
現在日本では大杉栄の名前も紊乱という言葉も忘れられて久しい。もしくはアナーキストのイメージしかないか、あるいは「美は乱調にある」という文章に代表されるぐらいしかない。本書では豊富な文献から大杉栄という人物というよりその存在のもつ熱量をあぶりだし、かつ憲兵に殺される人生を送った短い一生と殺した真犯人を探す意気であふれている。大杉が魅せる観念の自由とはこういうものだ!ということをこれでもかと味わうことができる。しかし著者の立場は明らかにリベラリストというよりは左派、もしくは左翼といわれる位置にあるのは注意。
読了日:10月17日 著者:鎌田 慧

大杉榮 自由への疾走 (岩波現代文庫)

大杉榮 自由への疾走 (岩波現代文庫)


太平記(下)―マンガ日本の古典〈20〉 (中公文庫)
太平記の下巻。後醍醐天皇はまず叡山に逃げ、その後さらに吉野山に新たな京をひらく。足利一族と新田一族は死闘をくりかえし、ついに足利尊氏新田義貞を倒すことに成功する。上巻では天皇よりの記述と言ったけれど、だんだん足利尊氏を正当化するようになってくるように感じる。戦いだけでなく謀略も讒言も収まらずに、最後は弟である直義をも殺す結果になる。それでも戦乱は終わらずに南北朝時代は3代将軍足利義満までもちこされた。
読了日:10月16日 著者:さいとう たかを

太平記(下)―マンガ日本の古典〈20〉 (中公文庫)

太平記(下)―マンガ日本の古典〈20〉 (中公文庫)


太平記(中)―マンガ日本の古典〈19〉 (中公文庫)
マンガ太平記の中巻。この巻では前巻で反乱を起こした地方豪族や楠木正成足利尊氏新田義貞などの活躍によって隠岐に流されていた後醍醐天皇が京都に戻ってきて新しい政治(建武の新政)をはじめる所から始まる。しかし天皇が始めた政治は武家にほとんど報酬を与えずに公家に多くの報酬を与えたため、武家は新しい政治に疑問をいだく。しかしその武家も一枚岩ではなくそれぞれ敵対視していたりもして、状況は相当混乱していたと考えられる。その中でも足利尊氏新田義貞と激闘の末ついに打ち勝ち、京に入る。一方楠木正成も死地に赴いたのだった
読了日:10月16日 著者:さいとう たかを

太平記(中)―マンガ日本の古典〈19〉 (中公文庫)

太平記(中)―マンガ日本の古典〈19〉 (中公文庫)


太平記〈上〉―マンガ日本の古典〈18〉 (中公文庫)
太平記は執権北条氏を滅ぼそうとする後醍醐天皇の謀略からはじまり、その後北条執権の滅亡や足利尊氏後醍醐天皇楠木正成らとの死闘を描く歴史書だ。上巻は後醍醐天皇の謀略から北条氏滅亡までの軌跡がさいとうたかをの劇画タッチで表現している。おそらくさいとう氏は悪くないのだろうと思うのだが、この太平記は数の単位が過剰に描かれている所とか、天皇側を正当化する記述が多いところなどを読んでいて、中国の正史のような印象をうけた。後醍醐天皇は中国の皇帝のような役割を目指したといわれるが、その歴史書もその影響を受けているのかな
読了日:10月16日 著者:さいとう たかを

太平記〈上〉―マンガ日本の古典〈18〉 (中公文庫)

太平記〈上〉―マンガ日本の古典〈18〉 (中公文庫)


アインシュタインが考えたこと (岩波ジュニア新書)
自分が読んだアインシュタインや相対性原理についての本で一番分かりやすかった。アインシュタイン以前に準備されていたニュートン力学への疑問が特殊性相対性理論によってすっきり解決されたのは、たしかに新しい物理学への革命と言っていいと思う。これにより宇宙についての理解が一気に進んだのは疑いようがない。不満をいえば本書の発行が1981年と古く、その後の宇宙物理学の発展がないところだが、自分のような初心者でも何とか特殊性相対性理論と一般性相対性理論がそれなりにわかるので同じような立場にいる人にはオススメです。
読了日:10月4日 著者:佐藤 文隆

アインシュタインが考えたこと (岩波ジュニア新書)

アインシュタインが考えたこと (岩波ジュニア新書)


21エモン 2+モンガーちゃん (てんとう虫コミックススペシャル〕)
幼い頃に21エモンのアニメを楽しみにしていたことをよく覚えている。マンガで読む21エモンはアニメとは少し違うけれど、それでも懐かしさで胸がいっぱいになった。テレポートができるモンガーと、さえないホテルの息子である主人公、そして芋にしか興味がないゴンスケなどがトラブルに巻き込まれながら宇宙旅行するこのSFマンガは、藤子・F・不二雄の代表作だと思う。近くの図書館に置いている場合は即借りて読んで見ることをオススメします。
読了日:10月1日 著者:藤子・F・不二雄



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