「超」整理法  野口悠紀雄

知識をどのように活かすか、思考をどのように行うことについて、「思考の整理学」外山滋比古と「知的生産の技術」梅棹忠夫の2冊を連続して読み、このブログで紹介してきました。今回3冊目に当たるのは、「「超」整理法」野口悠紀雄で、本書で書かれているのは文章整理や整理法ということを根本に問いなおしているということです。


本書で一貫している解決法はたった一つです。
「時間軸で整理しろ!」たったこれだけのことを言いたいがためにこの1冊が書かれたといって差し支えないでしょう。個人で図書館のように分類で整理することは不可能だ。それなら時間で整頓する「超」整理法こそ、現代にあった方法である。実にシンプルですが、僕はこの方法にとても興味をもちました。なぜなら、僕もこの方法を取り入れて整理している分野があったからです。それは旅行や観光で訪れたパンフレット等は、この時間順方式で整理するように最近環境を整えたからです。そうでもしなければ、すべてがゴチャゴチャな状態でどこに行ったかはわかるけど、いつ行ったのかとか、これはなんだろうというみやげ物が大量にでてきます。これは本書を読む前に思いつき、実行したのですが、この「「超」整理法」はすべてを徹底してこの時間順方式で管理してしまうのです。


読んでいて気づいたのですが、実は本書は「知的生産の技術」の後継者で、「知的生産の技術」がもたらした知的な管理法を徹底して現在の状況にアップデートしようとしたのです。「知的生産の技術」ではタイプライターを使う話がでてきましたが、あれがコンピューターや個人情報端末に変化してきた過渡期に本書は執筆されました。本書が出たのは1993年で、windows95が大ブームになった1995から2年も前なのです。はっきりいって本書で描かれているほとんどのパソコンや個人情報端末の問題点は解決されているか、次の問題点に移行しています。それほどまでに情報技術が変化したといえ、本書のコアな部分はまったく色あせていないと断言できます。なぜなら本書が問題としていたのは、いかに個人が情報を処理していくかということにあったからです。この問題はますます重要性が増していて、氾濫する情報からどうやって情報をすくい取るかが現代の課題にもなっています。その中ですくいとった情報を、紙の上でも情報機器の中でも「時間」を使った方法で管理すればずいぶんと楽になるのではないでしょうか。
僕は書類や資料などはこの「「超」管理法」を真似することに決めました。ただ、疑問に思う部分もあります。それは資格や紙の上で行う勉強の管理法に向いているかどうかということです。半年前に中学物理を勉強しなおしたのですが、その勉強後図書館分類で整頓していまい、その後まったく読み返さなくなりました。その時はルーズリーフを使ったのですが、これは簡単にしまうことができる分ストックした所が動かしにくい場合まったく読み返さなくなります。勉強をした後大切なのは読み返しなので、パラパラと見るだけでもいいので、近くにおいてさらに見やすくしておくことが重要です。それにこの「「超」整理法」が役に立つのかどうかという事には疑問を持ちます。


今回3冊連続してどのように知識を鍛え、思考を行い、情報を処理するかについての本を読んできましたが、僕は以下の順番で読んでいくことをおすすめします。
なのでこの3冊ならば以下の順番で読むことをおすすめします。
1.「知的生産の技術」
2.「思考の整理学」
3.「「超」整理法」


この本たちを読んで僕とあなたの思考術や整理術、整頓術を変えながら、面倒な事を素早く終了させて自分の時間をもてるようにしましょう。現代は自分の時間を作っていかなければ、ただ時間に流されるだけになってしまいます。時間は約24時間あるけど、起きている時間はその内の10数時間で、しなければならないことや雑用などを考えれば自分の時間をもつということは本当に限られます。できる限り仕事はさっさと終わらせて、自分の時間を好きに使っちゃいましょう。


「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)

「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)