もうそろそろアクションが必要じゃないか?

まずはこの記事から。

http://agora-web.jp/archives/1448153.html

若者よ、立ち上がれ!!と言われて立ち上がりたい同世代の人間ってどれぐらいいるのだろうか。少なくとも自分はそんなに簡単に立ち上がりたくない。なぜなら、もうどうにもならないいんじゃないかと思っているから。このままではどうにもならないし、どうにもできないだろうと考えて、ただ楽しかったり、キビシかったりする日常を送っている同世代はほとんど僕と同じといえるだろう。


この記事だけでは扇動色が強く、はっきりいってそれほど説得力がない。18歳からの選挙権なんて、お年寄りの数に比べれば微々たるもの。その上世代の投票率にも違いが出るだろう。自由投票の国での若者の投票率は低い。少なくとも日本ではこんな感じだ。どうみても18歳から選挙してもほとんど焼け石に水だろう。おそらく、この記事を書いた高橋亮平さんも同じ気持ちなのだと思う。しかしあえて記事を書いたのは、ここから選挙のあり方をひとつひとつ変えていこうという気持ちがあるからだろう。自分のような若輩者にも選挙制度を見なおしていかなければならないんじゃないかという思いはあります。


例えば先進国ではお年寄りが多くなり、0〜14歳と65歳以上が逆転している国もいくつかあります。この状況の中で民主制度としての選挙を行うにはなにかしらの変化を主体的に行わなければなりません。例えば、選挙を義務づけるように法律か憲法を変えるとか、世代別に代表者を決めるとか、一票の格差の是正なりしていかなければ、本当にこのまま状況や構造に少しづつ殺されてしまうんじゃないかという危機感があります。しかもこれは表面上はおくびもみせずに、少しずつ少しずつ追い込んでいく。気づいた時に完全に手遅れでどうすることもできない。集団での練炭自殺が現代でもっともラディカルで、楽に現実世界を解決できる方法だということになるでしょう。


もちろんこれらの現実にアクションを起こしている人たちもいます。赤木智弘さんと雨宮処凛さんのふたりをその筋の代表にしましょう。赤木さんは「「丸山眞男」をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」で一躍有名になり、その後ブロゴスで記事をいくつか拝見しています。この最初の論文にはあまり共感を覚えなかったのですが、赤木さんの他の記事を読むにつれて、それは間違ってないとか、彼の叫びに共感できるところを見つけました。
もうひとりの雨宮処凛さんはそのスタイルと行動で有名ですが、彼女の「プレカリアート」という本を僕は読んでおり、彼女の言いたいことはこんな感じかなをいうぐらいはつかんでいます。


両者とも意見が重なっているのは、今ある場所なり階層なり立場なりに追いやられている人達は、必ずしも個人のせいだけではないということです。必ずしも個人責任にできない部分があり、その個人ではどうしようもないことをどうにかしたい。もう少し踏み込むなら、他人なり状況、構造なりが個人を規制してがんじがらめにしているせいだ・・・それはしばしば自分で出来ないことを他人のせいとしているとして受け止めれれることも多いのでしょう。そういう批判をよく見かけます。


その批判を間違っているとも僕は思いません。明らかに個人でなんとかやっていかなければ生きていけない部分が人生の70%は占めているように感じます。もう20代も後半をすぎれば、社会の中で大人として扱われ、またそのように振る舞うことも要求されます。
ただ今の現実を見ると構造としての部分に足を踏み込んで行かなければならない所に私たちはいるのではないでしょうか。これは単純に個人では本当にどうにもならないです。選挙というのはそのような体制としての構造を決める重要な民主制度です。これを否定するなら再び専制君主なり、封建君主なりが自分で好き勝手できる時代が戻ってくるだけです。ファシズムは民衆が、その民主制度に失望してさらにすばらしい世界を目指そうとした運動でもありました(学術的には多くの議論があるのは知っていますが、あえてこのような解釈をしています)。


話が広がりすぎたのでもどしますが、僕はこの高橋さんや選挙制度改正行動を支持します。18歳からの選挙権は明らかに微々たるものでしかありませんが、それでもどうにもならない体制と構造に向けて石=意志を投げかけるのも悪くはないのではないでしょう。僕たちの予想以上にこの国家、財政、社会保障地方自治、コミュニティなど、個人を規定する体制・構造は僕たちの世代だけでなく、今の現役・老人世代、そしてこれから生まれてくる子供たちにも負担をかけます。そのためのアクションをひとつひとつ起こしてみましょう。何ができるかは、まったくわかりませんが。


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